ミスチル論
暇なので書いてみる。あくまで独断で。

まずミスチルの変遷から。
初期のミスチルは「クロスロード」「イノセントワールド」に代表されるような爽やかな作品が多かった。
また、それが受け、一番ヒットした時期でもある。
それが次第に「es」や「花」のような重い曲調が目立ちはじめる。
桜井氏の苦悩がにじみ出ている。
その苦悩の集大成がファンであるための踏み絵とまで言われた「深海」である。
この頃桜井氏の離婚問題がマスコミに取り上げられ、離れていったファンもいる。
解散は時間の問題とまことしやかに囁かれたものだった。
そして突然の活動休止。
約1年後これまた突然「ニシエヒガシエ」のリリース、そして「終わりなき旅」で完全復活を遂げる。
活動再開後の彼等は一段とメッセージ性が強い、しかし決して頭でっかちにならない曲を産み出している。

概要はこんな感じ。
ミスチル論U
次は桜井和寿が創る詩について。

これは結構意見が分かれるところのようだ。
説教臭いから嫌いだとかテーマが重すぎるという人もいる。
それも一理あるかもしれない。
けど俺なんかはそこいらの中身のない詞よりもよっぽどいいと思う。
それに徹底的に明るい軽い曲もある。
桜井氏自身も「ハレルヤ」という曲の中で「僕は世の中を儚げに歌うだけのちっちゃな男じゃなく」と言っている。

さてその詩について。
彼が創る詩に俺は妙に説得力を感じる。
そしてそれは全く飾られていない本心を詩にしているからだと思う。
悩んだり失望したり嫉妬したり、一般的に暗く、敬遠される詩を桜井和寿は書く。
そして苦悩した詩を見せられるからこそ明るいプラス思考の曲も納得できるというものだ。
「ありふれた Love Story」という曲の一節でミスチル論2を締めたいと思う。
「『愛は消えたりしない 愛に勝るもんはない』なんて流行歌の戦略か?そんじゃ何信じりゃいい?『明日へ向かえ』なんていい気なもんだ」
ミスチル論V
今回は衝撃の問題作「深海」について。

「深海」は一つのテーマに基づいたコンセプトアルバムで、アルバムを通して一つの曲のようになっている。
そのテーマとはなにか?
それは歌から読みとっていくしかない。
「深海」の中に頻繁に登場する言葉が「シーラカンス」である。
進化することをやめ、深海を泳ぎ続けるシーラカンスの存在意義を問うている。
「シーラカンス」を「愛」と置き換えることができる。
変わり続ける世界の中で変わらず残ってきた愛。
しかしそれに何の意味があるのか?
ただ無意味に生き続けているだけなのではないか?
桜井和寿の絶望にも似た叫びが続く。

死というのも一つのキーワードだ。
花のサブタイトルMementoMoriとはラテン語で「死を想え」という意味であるし「深海」という曲の中では「死にゆくことにさえ憧れるのさ」と歌っている。
失望感と虚無感に支配された桜井氏が死を考えたことは確かだろう。

愛とは死とは何なのか?
「深海」中では答はでない。
アルバムの最後は
「(深海に)連れてってくれないか?連れ戻してくれないか?僕を僕も・・・」
と痛烈な皮肉とも現実逃避とも思える詩で終わっている。
このままでは深海、深層心理の海の中に埋没する可能性があった。
この後約1年、ミスチルは活動を休止した。
ミスチル論W
では「DISCOVERY」について。

活動再開後にリリースされたアルバム「DISCOVERY」
彼等は何を発見したのか?
長々と書くのも面倒なので歌詩を綴っていきたい。
「10年先も20年先も君と生きれたらいいな。悲しみを連れ遠回りもしたんだけど探してたものはこんなシンプルなものだったんだ」
「生きている証を時代に打ち付けろ。貧弱な魂で悪あがきしながら」
「無くてはならぬものなどあんまり見あたらないけど、愛する人も同じように今日も元気で暮らしてる。一人じゃない喜び、なにはなくともそれで良しとしようか」
「張り付けの刑になったって明日に向かって生きてくんだって」
「いつかは誰もがやがては誰もが死にゆく自分を愛せるだろう」
「閉ざされたドアの向こうに新しい何かが待っていて、きっときっとって僕を動かしてる」
「大切なものはいつだって目の前に転がってる」
「心に翼を持ってこの愛を両手に抱いて振り向かずにDISCOVERY」

これまでミスチルは社会を批判したり普遍的な愛の形を思う歌が多かった。
けれど、いくら社会が乱れていても、何から何まで駄目ってことはないだろう。
自分の周りに喜びが溢れていることを発見できることをDISCOVERYしたのであろう。
ミスチル論X
南無三宝。今回も詩の紹介でいくか、楽だし。テーマは恋愛でいくか。鼻はつまんどけ。

「優秀に暮らして行こうとするよりも君らしい不完全さを愛したい」
「僕は何故繰り返す別れを受け入れてきたんだろう その謎が君と出会いちょっと解けた」
「もう一杯ビール飲むか? 赤くなったっていいじゃない たまにゃ理性を捨てんのもいいぞ 化けの皮を剥いだ君を愛せるのは そう俺くらいなもんさ」
「あせらなくていいさ 一歩ずつ 僕のそばにおいで」
「鏡となり傍に立ちあなたを映し続けよう」
「守るべきものはただひとつ君なんだよ いつでも君なんだよ」
「いつの日か年老いていっても この視力が衰えていっても そう 君だけは見える」
「その香り その身体 その全てに僕は生き返る」
「愛はきっと奪うでも与えるでもなくて 気がつけばそこにあるもの」
「着かず離れずが恋の術でも傍にいたいのよ」
「振り向けば 心の隅に君がいて」
「何遍も恋の辛さを味わったって不思議なくらい人はまた恋に落ちてゆく」
「また会えたなら 次会うときは 君が悩みめってたりすりゃいいな 守りたくても君が助けを必要としてないんじゃまるで意味ないから」
「この恋の行き先に何があるかは知らない ただ静かに手を取っては永遠にと願う いつも君と二人で」
「まるで病 もう神も仏もない まぎれもなくこれが恋ってゆうものです」
「曖昧模糊とした表現なんて金輪際とっぱらって 君と二人愛を語りめくるめくる世界へ」
「例えば人道に背く行為というなら虫けらとなって愛を誓う」
「君のこと以外は何も考えられない」

一つの曲からいくつか抜粋したのもある。暇なマニアは探すべし。
ミスチル論Y
次は失恋でいくかぁ。結構多いのだ。このテーマ。

「愛しい君の笑顔が涙でにじむ前にさよなら輝いていた想い出だけを心の中に」
「いつかはこんな日が来ると互いに解ってたのに それでもそばにいたのは臆病だから?それとも今でも愛しているから?」
「遠い夏を越えて秋を過ぎてあなたの事を想うよ今でも会いたくて寂しすぎて愚かな自分を恨みもするけど」
「一度だけ君がくれた手紙を読み返したら 気付けなかった寂しさが降ってきて ごめんねとつぶやいても もうどうなる訳でもなく切なさがギュッと胸をしめつける Ah 僕が戦場に行ってるその間君はもう違う誰かの腕の中 そして僕は一人」
「恋人同士ではなくなったら君のいいとこばかり思い出すのかな?」
「傷つく事 傷つける事が互いになんとなく面倒くさかっただけ 形式だけに目を奪われてただスマートに納まってようとした二人 今となっては消えゆく幸せの Category」
「転んだ時だけ気付く混凝土の固さ 失って寂しくって歌うあの日のLove song 思いしらしてよ君の偉大さを」
「仮面を着けた姿がだんだん様になってゆく 今日も一人立ちすくむ僕を もう一度支えてよ 傍に居て笑ってみてよ」
「暗闇を照らしてよ あの頃のように 君無しじゃ不安定なんだよ 一切合切を無くしても構わないと思えてたのに そう信じれたのに」
「胸に無情の雨が降る 二人で過ごした日々は路上のチリのよう 流れて消えて The Endさ」

マニアは気づく。あれ?あの曲が入ってない。あの名曲が。
庭臭をして「99.9%完璧な曲、ミスチルがそこで満足してまうから100とは言わんけど」と言わしめた曲「Over」
抜粋しようとしても気づいたら全文抜いてしまいそうだったので辞めた。
Atomic Heartに収録されてるので自分の耳で聴くベシ・・・ピョン。

ホーム
PC/携帯