モル? |
朝だ。小鳥がさえずり、光が溢れる。 ここはモルジブ諸島、片田舎の一軒家だ。 町民放送のスピーカーから流れるのは、国歌モルダウ。 朝の斉唱。 すがすがしい1日の始まる予感が、彼の胸を躍らせた。 彼は出勤する。 町の学校だ。彼は教師をしている。 今日は4時間授業がある。 内容はどのクラスも同じ。 モル濃度、モル濃度、モル濃度、モル濃度。 朝11時。 この時間は空き時間だ。 しかし、次の時間の実験授業のために薬品を盛る準備をする。 昼1時半。 実験授業も終え、昼休みをはさんで、この時間も空き時間。 初夏の風が心地よい。 このすがすがしい気持ちで、仕事を終えてしまおう。 ふと一句浮かんだ。 「風とおる 埋もるる書類の 整理かな」 隣の女性教師に感想を仰ぐ。 答えは「結構な句ですね。」 あやふやな答えだが、彼は満足した。 夜だ。 家庭は彼の一番くつろげる場所だ。 ソファーに深く座り、テレビのリモコンを握ったまま、 しばらく眠ってしまった。 夜9時。 彼は目を覚ました。 彼のお気に入りのドラマが始まる。 「神様、モル少しだけ」 いまやモルジブの社会現象。高視聴率のドラマである。 ・・・彼の目が光った。 国民的アイドル、主演の深川恭子が逆立ちをした。 Tシャツの下の下着があらわに。 彼はつぶやいた。「やらしいな」 終 |
やまと○でしこ |
―あらすじ― |
神野桜子(こば○しあけぼの)は、 エアドリーム航空に勤める才色兼備のスチュワーデス。 しかし男の財産にしか興味がなく、 東十条司をキープしながらより金持ちの男を探しつづけていた。 そんな時、医者の佐久間(ノビート)がセッティングした合コンに、 後輩の塩田若葉(か○うあきこ)らと共に参加する。 そこには、佐久間の友人の粕屋(みやじ○つねゆき)と、 不本意ながら医師と偽って出席した 中原欧介(きりや○しげひろ)の姿があった。 欧介は、父の死後、家業の魚屋を継いだ平凡な青年。 欧介に財力は全くなかったが、 たまたま身につけていた馬主のバッジや 車のキーが桜子の目にとまり、 桜子は欧介を大金持ちだと見切る。 欧介も桜子の美しさに一目惚れし、 欧介は嘘をつきとおして桜子と交際を始める。 しかしある日、桜子に欧介はただの 魚屋だということがばれてしまう。 桜子は欧介を連れ出し、問い詰める。 |
[公園] |
桜子 「ずっと私のこと騙してたんですね。」 欧介 「すいません・・・」 桜子 「あなたのつけてた馬主のバッジは何なの!?」 欧介 「あれは、祖国(くに)の農耕用ので・・・」 桜子 「じゃあ、車のキーは!?」 欧介 「祖国(くに)のにせメーカーのなんです。」 桜子 「テレビ局の株を持ってるって言うのは?」 欧介 「うちにはテレビもありません・・・」 桜子 「・・・・・・」 欧介 「本当にごめんなさい。」 桜子 「あなたには、あきれました。 もう二度と、会うつもりはありません。それでは、さようなら!」 呼び止めようとする欧介。 しかし、声にならない。 桜子は、行ってしまう…。 |