日本昔話T |
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。 おじいさんは山へ芝刈りに、 おばあさんは川へ洗濯に行きました。 おばあさんが川で洗濯をしていると、 むこうの方から大きな桃がどんぶらこっこ、 どんぶらこっこと流れてきました。 それはそれは大きな桃で、とっても重そうな桃でした。 その桃はおばあさんの近くの川岸にとまりました。 おばあさんは拾い上げて家に持って帰ろうとしましたが、 あまりの重さにぎっくり腰になってしまいました。 仕方がないので、村中の男たちに頼んで おじいさんとおばあさんの家まで運んでもらいました。 おじいさんとおばあさんは、この大きな桃を切って食べようとしました。 おじいさんが桃に包丁を入れたその時です。 「おっは〜!!」 中から元気な赤ん坊が 2000年の流行語と共にの飛び出してきました。 おじいさんとおばあさんは、あまりにびっくりして ちょっと心臓がやばいことになってしまいましたが、 鎮静剤を打つと落ち着いてきました。 おじいさんとおばあさんには子供がいなかったので、 この赤ん坊を自分たちの子として育てることにしました。 おじいさんとおばあさんはこの子を曙太郎と名づけました。 桃から生まれたことなんてお構いなしでした。 曙太郎の生まれた桃は重くて当然でした。 顔がマヨネーズのキャラクターに似ているおじいさんは、 「この桃はp-ヒドロキシアゾベンゼン2.495molだな」 と、化学教師っぽい口調でおばあさんにいいました。 |
日本昔話U |
曙太郎はすくすくと元気に育っていきました。 たまには勢い余って、元気な音のおならをしてしまったりもしました。 そんなときには「井伏氏は放屁なされた」 などと言ってごまかしたりしました。 曙太郎は村一番の力持ちになりました。 村中の誰よりも強くてたくましくなりました。 曙太郎はセオリーどおり相撲の名手になりました。 おじいさんは思い切って自分の家の名前を みやじ○から東関に変えました。 曙太郎は誰もが認める猛者になりました。 村だけでなくこの国中で曙太郎にかなうものはいなくなりました。 さてこの国は困ったことに、鬼が島の鬼に襲われていました。 曙太郎は自分が鬼を退治しに行くことに決めました。 おじいさんとおばあさんも賛成しました。 そこでおばあさんは曙太郎のためにきび団子を作ってやりました。 曙太郎はそれを100円ショップの緑色のかごに入れ 下っ腹の肉で抱えるようにして持ち出発しようとしました。 おじいさんとおばあさんは見送りました。 おじいさんは「気をつけてな」といいました。 曙太郎は「横綱の名に恥じぬよう精進いたします」といって旅立ちました。 |